2022/06/24

横内賢太郎 講演会

 6月21日には横内賢太郎さんの講演会が行われました。横内さんは日本での個展を中心に、インドネシア・ジョクジャカルタとオランダで滞在しながら活動してきた作家です。

最初は欧州の美術史と日本の絵画の関係について話しました。ヨーロッパの絵画と日本の絵画がお互いどのように影響し合ったかなど、ヨーロッパと日本の美的感覚の相違点や、オランダと日本の歴史的な関わりとこの文化の交差がどのような絵を生み出したかなど。




そこから、話は横内さんのインドネシアでの経験に移りました。横内さんが作品の素材として使うサテン布やインディゴブルーもインドネシアの歴史や社会と深い関係があるらしく、彼は自分がいる場所の環境や文化について考えながら、リサーチして、それを制作に持ち込んでいるみたいです。さらに、周りの芸術に興味を持つ人のためにインドネシアでは自宅をアートスペースにして、インドネシアでは上映されることが少ない映画の上映会を開催したり、自ら芸術文化を広めています。




4年生や院生になれば先生から課題をもらうのではなく、主に自由制作になり、その制作の起源となるリサーチ・研究・自らの経験は重要になるので、それに関して学生にとても為になるレクチャーだと思いました。










2022/06/13

2年生合評

6月8日は2年生の合表でした。

学生は木炭風景デッサン・油彩風景・裸婦油彩(グリザイユ)の3つの課題作品を並べて先生から批評を受けていました。





風景画は学生が自ら学内で好きな場所を探し出し、それを描いています。建物を主に描く学生もいれば、人工物が一切見えない自然風景を選ぶ学生もいたり、同じ学内でも様々な場所が描かれていました。今年新しく完成した明窓館の風景も見えました。

人体の方は今回はグリザイユで描かれていました。黒、白、灰色だけで明暗の重要性を理解したり、形の捉え方に集中していたようです。





洋画特別講演会 横内賢太郎 :「人の営みについて」



洋画特別講演会 


画家 横内賢太郎:人の営みについて

日時: 6月21日(火)13時15分開始

場所: 黎明館L101


横内氏はKenji Taki Gallery、京都市立芸大ギャラリー@KCUA、愛知県美術館などでの個展を中心に、インドネシア、オランダに滞在して作家活動してきました。京都精華大学では2度目の講演会です。「文化的接ぎ木」をキーワードに、さまざまな文化的・歴史的背景を持つイメージを自身の作品の中でつなぎ合わせることによって、それらが混交し、変化していくさまを表現してきました。その関心は学生時代から一貫して「変化」にあります。出会いがもたらす変化を追っていくうちに、その活動は作品制作だけにとどまらず、2014年から5年間活動拠点としてきたインドネシアのジョグジャカルタでの自宅をアートスペース「Artist Support Project」として、展覧会やイベント、アーティスト・イン・レジデンスなどの運営も行うようになりました。「いつもワクワクしていないといけない」という横内さんが「変化」を求める中で出会ってきたさまざまな人々、物事、またそれらの出会いが作品制作にもたらしたものなどについて、お話を伺います。(@KCUAホームページより)



横内 賢太郎 略歴

Kentaro YOKOUCHI

1979 千葉県生まれ

2002 武蔵野美術大学 造形学部油絵科卒業

2004 京都市立芸術大学大学院 美術研究科修了

2007 京都市立芸術大学大学院 博士(後期)課程油画領域修了

2008 VOCA賞 受賞

2014 平成26年度ポーラ美術振興財団在外研修員としてインドネシアに滞在

2014年 まで三重県いなべ市を拠点に制作

2014年 よりインドネシア、ジョクジャカルタに留学 インドネシア芸術大学(ISI)聴講生

2014-2020 インドネシア、ジョクジャカルタを拠点に活動

2020-2021 文化庁芸術家在外派遣研修員としてオランダに滞在

2022/06/08

3年生合評

 6月6日と7日は3年生の合評でした。

今回の課題は抽象絵画。具象表現を避けるチャレンジ。

新しく学んだ技法や今まで使用したことがない素材を実験的に用いたり、普段とは全く違う表現方法を試みたり、みんな熱心に考えながら制作していたことが伝わりました。




平面作品だけでなく立体作品も一緒に作る学生もいました。



オートマティスムを思わせる絵画。




新しく学んだ石膏下地の特徴を利用した作品。わざとヒビや穴が発生するように石膏地を作ったのが興味深い。



学生は作品自体だけでなくその作品の展示方法にも力を入れていました。絵は見られるものなので、どう見られるかをちゃんと考えるのも大切ですね。


発表している間にみるみる変化していくスライムの作品。

中国の歴史というテーマを簡略化して表現する作品。





7-23ギャラリーを使って、かなりでかい作品を展示する学生もいました。

ダンスしながら描くための不思議な装置。





「線を描いたら抽象ではない」。3年生も深いことを考えながら制作をしている。


最後の発表に相応しかった、絵の具を使わない絵画。見て、説明を聞いて、無など痕跡などいろんな言葉が思い浮かぶ作品。

この抽象という課題で学んだことや自分で考えたこと、先生や他の学生から受けた批評や意見、今後の制作に影響を及ぼすかどうか、3年生のこれから先の作品を見るのが楽しみです。