今回の授業では、「人を描く」ことに並行し、
鶏の骨を炭化させて作った顔料で黒の違いを発見する授業もありました。
まずは骨を炭化させるところから始めます。
先生が用意された鶏の骨たち、
授業のため鶏料理で出た骨をよく洗い集めてくださりました。
フライパンに骨を並べ、加熱していきます。
ベランダは煙でもくもく、焼き鳥屋のような匂いがしました。
炎上…
煙が少なくなってきたら、アルミホイルで蓋をしさらに加熱。
骨の芯まで黒く炭化できました。
真黒になった骨を砕き、表層部分・芯部分と、
黒と茶色の違いを見ながら分けていきます。
あとはそれぞれをひたすら乳鉢でごりごりごりごり、
制作の合間、休憩がてらに細かくしていき顔料にしていきます。
念入りに細かくした筈が、ナイフで混ぜているとまだジョリジョリしていました。
普段使っている市販の絵の具が、いかに技術を駆使され精製されているかを実感します。
負けじとさらに細かくしようと、パレットの上で滑らかに混ぜ合わせる学生も。
現代では当たり前になっている市販の絵の具、
それがなかった昔の絵描きたちはみな自身で絵の具を練っていました。
その作業を、学生たちは歴史を知るように体験していきます。
さて、絵の具が出来上がりました!
ここからやっとキャンバスにのせていきます。
今回は茶系の黒との違いがわかるよう、白の絵の具を少しずつ混ぜ、
グラデーションになるように塗り並べました。
かなり細かくグラデーションをつけていく班もあり、
お互いの作業に驚いたり参考にしたり、和気藹々。
完成です!!
同じ「黒」という色でも、これだけ風合いが変わります。
また顔料の細かさでも、印象は大きく変わります。
細かい顔料の滑らかな画肌、少し粗めの顔料のマットな渋い無骨な画肌、
組み合わせは何通りにも。
絵描きたちは昔から、描きたいことだけでなく、
素材もあわせて選択し、探求してきたのですね。
学生たちはどのような発見をし、そしてどのように感じたのでしょうか。
出来上がった絵の具を今回の作品に使う学生もおり、
ますます完成が楽しみです!