2011/11/30

1年生合評 -裸婦・静物-



寒くなってきたと思ったらまた暖かくなるような不思議な日々が続いておりますが…

皆さま体調管理は万全でしょうか?


今回は久しぶりに1年生の合評風景をお伝えしたいと思います。




今回の合評は『裸婦』『静物』の課題作品で行われました。




学生1人当たり裸婦が3枚(内1枚は木炭デッサン)と静物が1枚の、計4枚を提示していただきました。




発表は2人ずつで行われましたので、写真では計8枚提示されています。

ここに掲載されていない生徒の作品も、どれも力作揃いでした!

見応えのある作品ばかりで、こちらも楽しく撮影させていただきました。




静物の課題では『人工物』『自然物』というテーマでモチーフを持参してもらい制作していただきました。









腐敗など、日々変化していくモチーフと向き合い制作していくことで、描かれているものが“何”であるか、また、それを描くということはどういう行為なのか、それぞれ自問自答しながら制作していたのが作品に表れてきていると感じられました




力作揃いということもあって、講評する側にもが入ります!

生徒には緊張の場面ですが、1点1点丁寧に講評されていました。







1年生の皆さん3日間に及ぶ長い合評お疲れ様でした。

講評がようやく終わって“ほっ”とされたと思いますが、くれぐれも体調を崩さないように気をつけて下さい!

来週からはいよいよ“進級制作”です!!

入学後初めての“自由”な制作ですので、各々体調管理に気をつけて、万全の状態で制作に取りかかって下さい!!

展覧会情報

洋画コース3年生、小西梨絵さんの展覧会情報です。

『x線y線』

2011年12月3日(土)―12月11日(日)
平日17:00―21:00
土日14:00―20:00

atelier 輪音

〒542-0042
大阪市中央区高津3-9-7
大阪市営地下鉄 日本橋駅よりすぐ


2011/11/23

3年生授業風景

今回は3年生の授業風景を紹介したいと思います。

黙々と制作を頑張っていたので邪魔をするようで申し訳なかったのですが、
制作についていくつか質問させていただきました。




こちらは森本ゼミの松島さんです。




松島さんは平面や立体に絵具をデコレーションするような作品を制作しています。




油絵具に石膏やメディウムを混ぜ合わせ、それをペインティングナイフで規則的かつ丁寧にデコレーションしていきます。




平面以外にも立体にデコレーションした作品も沢山ありました。




こちらは画溶液の瓶にデコレーションした作品です。

本来の“瓶”という素材が、絵具に覆われることで新しい素材へと更新されているのが、
触っていて面白かったです。




松島さんは、デコレーションすることで生み出される規則的な模様や、

まるでケーキが沢山並べられたショーケースを観るような感覚に興味をもって制作されているようです。






こちらは佐川ゼミの森本さんです。

森本さんは普段絵本を制作しています。

この大きな作品も絵本の原画なのですが、こちらは児童館で用いる『巨大紙芝居』の原画だそうです。




こちらが元になっている絵本です。




絵本を元に大きな原画を制作し、さらに様々な仕掛けを施していく予定だそうです。





この『巨大紙芝居』は森本さんの他に同学年の伊藤さんも共同制作で参加されています。

完成して子供達に披露するところを是非観てみたいです!

寒くなってきましたので風邪を引かないように、頑張って制作して下さい!

2011/11/22

展覧会情報

洋画コース講師、安喜先生のゼミに参加している4年生による展覧会情報です。

『視えることと その地下茎』

磯田奈央、打道彩佳、北島曜、金潤実、佐谷夢子、小竹登里佐、蔦谷碧、林恵理、東山弥生、前田香奈、湯浅ほのか

会場:京都精華大学・・・【7号館】7-23gallery 【春秋館】1F、2F廊下

会期:第1週 11/26―12/1
   第2週 12/3―12/8
   第3週 12/10―12/15
   第4週 12/17―12/22

視えることとその地下茎
地上に顔を出す草花はその茎で自らを支え、そこから続く地下茎は力強く伸びていく――目に視えない地中へ向けて。私たちの目に触れるものを支えるのは一体何か。

本展覧会は、京都精華大学洋画コース講師・安喜万佐子担当の表現研究5・6を受講する、同コース4年生11名によるものです。11月26日より4週にわたり、学内3会場にて全11の展示を行います。複数人の作品を同一会場に展示することや他者がキュレーションを行うことにより、多角的な視点から現代の「地下茎」を探ろうとします。

作者、キュレーターそれぞれの視点がクロスオーバーする本展覧会を是非ともご高覧ください。

京都精華大学
〒606-8588 京都市左京区岩倉木野町137

2011/11/21

1年生授業風景〜本作り〜

先日、1年生の授業で『本作り』が行われました。

1年生は『アーティストブック』という課題で本を作ってもらいますが、その課題に役立ててもらうために実際の製本作業を体験してもらいました。

今回は“ソフトカバー”“ハードカバー”の2タイプを製本しました。




まずは“ソフトカバー”の製本です。

まず最初に原稿を束ねます。(今回は見本なので白紙です。)
束ねた状態で“背”の部分を軽く接着します。(接着しすぎると本が開き難くなるので注意。)




束ねた原稿の背に切り込みを2〜3mm程入れます。




原稿を固定するために、切り込みを入れた原稿の背に糸を通していきます。




これが糸を通し終えたところです。

本の角(端)には糸を通さないようにします。糸を通してしまうと、側面から本を見た時に糸が見えてしまい、少し不格好になってしまいます。




原稿を束ね終えると、次は本の表紙(カバー)作りです。

原稿のサイズを計り、上下端はそのサイズと同じ、表は少し大きめにしカバーをカットします。
そうすることで原稿がカバーによって保護されます。
市販の本(雑誌以外)も同じ構造ですね。




カバーを貼り終えれば、製本の完成です。

ほんの数十分の作業で見事な本が完成されたことに生徒達も驚いていました。




次に“ハードカバー”の製本作業を紹介致します。

ハードカバーでは原稿の厚みがあることが多いので、生徒達にも手伝ってもらい原稿用紙を沢山作りました。




ここからの作業は“ソフトカバー”の製本作業と重複する箇所が多いので、異なる箇所を中心に説明させていただきます。




あらかじめ丸めた型紙に本の背をあてがい、本の背に丸みをもたせます。

そうすることで、厚みのあるハードカバーの本でも開き易くなります。





ハードカバーの場合は、糸の変わりに布を用いて原稿を固定します。




原稿とカバーを接着するために、まずは原稿にお好みの用紙を貼付けておきます。




次にハードカバー(表紙)を制作します。

お好みの布などに、原稿のサイズに合わせてカットした厚紙を貼付けます。






最後にカバーと原稿を接着して完成です!







簡単な説明で申し訳ありませんが、大体の行程をお分かりになっていただけたでしょうか…?

今回の作業を踏まえた上で、学生たちがどのような本を制作してきてくれるか楽しみです!

『世界に一冊』だけの素晴らしい作品にして下さい!!

2011/11/15

展覧会情報

洋画コース卒業生、後藤靖香さんの展覧会情報です。

『床書キ原寸』

2011年11月23日(水)―12月23日(金)
10:00―19:00(18:30最終入場)
会期中無休

名村造船所跡地 クリエイティブセンター大阪4F製図室
〒559-0011
大阪市住之江区北加賀屋4-1-55

2011/11/10

木下長宏さんレクチャー



今月7日と8日の二日間に渡り、美術史学者の木下長宏さんによるレクチャーが行われました。




木下さんは幅広い美術史学者として著名な方ですが、今回のレクチャーでは主に日本近代の美術に焦点をあててお話をしてくださいました。

1日目は、


『日本近代の絵画 ―「日本」と「西洋」(伝統と近代)の相克』


というタイトルでレクチャーが行われました。


(左:木下さん)

レクチャーではスライドを用いて沢山の作品を見ながら、とても興味深い内容を大変分かり易くお話ししていただきました。




今回のレクチャーで最も重要なキーワードとして“相克”という言葉があります。

【相克】:相いれない二つのものが、互いに勝とうとして争うこと。また、その争い。

日本が近代化していく中、押し寄せる「西洋化」の波に当時の画家達はどのように翻弄されていったのでしょうか。
「日本画」「洋画」という概念が生まれた背景や、美術学校が設立された背景、日本特有の“美術公募団体”の設立背景等を、当時の人達が抱えていた“相克”を通して考えていきました。




レクチャー2日目は、

『日本近代の絵画 ―戦争と絵画―』

というタイトルでお話していただきました。




日本近代を考える上で“戦争”はとても大きな問題です。

近代の日本美術史の上でも戦争というキーワードは頻繁に目にします。

香月康男のように実際に戦地に出兵した画家や藤田嗣治のように従軍画家として活躍した画家等、当時は画家達も「西洋化」という波以外にも「戦争」という波に大きく翻弄されていました。




スライドではあまり目にする事の出来ない戦争画が多く、大変貴重な経験となりました。

意外な画家達が戦争画を描いていたことを知り、私自身も驚きました。







「戦争画」というと、その言葉の重さから一定の印象しか持つ事はありませんでしたが、
一言に戦争画といってもその中には様々なものが存在し、当時の画家達の“相克”を垣間みる事が出来ました。




今回の講義は学生たちには大変実りのあるものになったのではないでしょうか。

木下さん、ご多忙中にも関わらず有意義なご講演を賜りました事、まことにありがたく心よりお礼申し上げます。

本当に有り難うございました。