2015/06/29

クサカベレクチャー



一年生は現在自家製の絵の具作りの最中ですが、
そんな中で有名絵の具メーカーのクサカベ画材さんが来て下さり、実際に販売されているものと同じ油絵具を作るレクチャーが行われました!

レクチャーは二日かけて行われ、一日目は絵の具の素材や毒性についてお話して頂きました。


 お話して頂いたのはこちらの岩崎さんです!
精華に絵の具作りをレクチャーしに来るのも今年で10年目です。としみじみと語ってくださいました!


ここでお話の中で出てきた絵の具の原料を紹介していきたいと思います!

まずこちらがウルトラマリンをつくるためのラピスラズリという鉱石とそれを顔料にしたものです。
このラピスラズリはとても高価な鉱石でなんとたった15gで5000円もするのだそう...!
そんな高価なものはぽんぽん使えないということで現在では合成ウルトラマリン(画像真ん中の小瓶)なるものが作られ使用されているそうです!
こちらは1kg5000円とかなりコスパがいいそうです!

こちらは絵の具の赤の色を作るコチニールと呼ばれる成分を顔料にしたものと、その成分を持っているカイガラムシの画像です。
この成分はカイガラムシの雌からしか採れないらしく、採集されるうちの半数の雄は無駄にお亡くなりになるそうです...!
そしてこのコチニールという成分は食材の色付けにも使われるらしくイチゴ風味など書かれたものの色はこのカイガラムシから採られているそうです...!
知らなければ良かったことが世の中には沢山あるようです。

 こちらはアラビアガムの塊です!
アカシアの木から採れ、溶かして顔料と混ぜることで水彩絵の具が作られます!

こちらはリンシードの種です。
これを絞ることで油絵で使うリンシードオイルが作られます!



二日目は実際に油絵の具を作ります!
写真が少ないのでダイジェストのなりますが、とにかく顔料と油を根気よく混ぜて混ぜて混ぜまくります!







そしてチューブにいれ完成したのがこちら!
肝心の絵の具作りが簡単になってしまい申し訳ないです..!

チューブの状態からいかに学生たちが奮闘したのかが伺えます...!
皆顔に絵の具を付けながら作業に徹していました!

見た目はこれでも中身は実際に売られているものと同じ立派な絵の具です!


普段は完成された絵の具しか見ることが無いのでこういった素材の話や実際に作る体験というのは今行っている自家製の絵の具作りをする上でとても貴重だったと思います!
クサカベさんありがとうございました!

2015/06/24

展覧会情報

洋画コース非常勤講師田中真吾先生の展覧会情報です。

田中真吾個展
「N ∩ 1 ー え し 意 か 識  う 品ー

会期|2015年7月3日(金)〜7月31日(金)
   金曜日から日曜日 OPEN
         appointments are available on weekdays
時間|12:00〜18:00
会場|eN arts
*opening reception : 7/4(sat)18:00-20:00

京都市東山区祇園町北側円山公園内 八坂神社北側


2015/06/10

1年生絵の具作り

合評が終わった1年生の次なる課題は「絵の具作り」です!

絵の具とは顔料と展色材が混ざった状態のものをいいます。
すごく簡単に言うと色の粉と接着剤を混ぜたものです。

この展色材 (接着剤)の種類が変わる事によって絵の具の種類が変わります。
顔料に油を混ぜれば油絵具、アクリルエマルジョンを混ぜればアクリル絵具、卵をま混ぜればテンペラ絵具といった具合です。

つまり、キャンバスに定着さえ出来ればボンドを混ぜても絵の具になるのです!
聞く所によると、昔にはクジラの血を混ぜて絵の具を作った人もいるのだそう...


今回の課題ではこの顔料と展色材を自分らで用意し、オリジナルの自分だけの絵の具を作ろう!という課題なのです!


絵の具作りでまず最初にすることは顔料の採取です!
顔料とは一般的に色の着いた鉱石や土を細かく砕いたものをいいます。
なので学生たちは大学内の様々な石や土を集めるところから始まりました!



 集めたものがこちら!
ただの土や石だけでなく大理石やレンガなど様々なものを集めています!
この時に集めた色の種類によって、後に制作するオリジナルの絵の具を使っての作品の色の幅に繋がります!





 そして集めた材料を金づちで細かく砕き、ふるいにかけていきます。


 そのあとはこの乳鉢でさらに細かく擦りつぶしていきます。
この時の擦りつぶし加減によって絵の具の滑らかさが変わります。
市販の絵の具並にしようと思うと根気と体力が必要になってきます!



 中には緑色を出すために蚊取り線香を砕いている学生もいました!
これがしっかりと顔料になるのかはわかりませんがこのチャレンジ精神は大切です!



キレイに細かく擦りつぶした後はさらにもうひと工夫を。
そのまま展色材と合わせればもう絵の具として使えるのですが、画像のようにフライパンで炒ることによって顔料は色が変化します!

この変化を利用してさらに色の幅を広げる事ができます!
こだわればこだわるほど自分だけの色がたくさん出来ていきます。
理想の絵の具を目指して頑張って下さい!


石谷先生レクチャー

洋画コースでは時折外部の先生をお呼びして学年全体に向けて講演をして下さる事があります。
今回は6月の頭に来て下さった石谷治寛先生の講演の様子です。

「オートマティスム=自動性」の概念を通して、リアリティのなかに幻視や夢を描いた近代の芸術表現に焦点をあて、作家のギュスターヴ・クールベを中心にお話して下さいました。
 



制作だけに没頭するのではなくこういった機会も学生にとってはとても貴重な時間です。
石谷先生ありがとうございました!

2015/06/09

1年生合評

続けて合評の様子を更新してきましたが、合評ラッシュの最後を締めくくるのは1年生です!

1年生は入学してか最初に作ったイーゼルとカルトンを使い木炭デッサンの課題に取り組んでいました。
入学して初めての描く課題の初めての合評の様子を今回は作品の写真を多めに使い紹介したいと思います!

1年生の合評は1年生の実習室で行われます!
普段の部屋との雰囲気の違いに学生たちの顔つきも少し変わって見えるようでした。


合評はまず学生が作品の横に付きどこで描いたのかや、制作中に感じたことなど作品についての軽いプレゼンをし、そこから先生方が講評を行うという形で進んできます。

この合評はデッサンだけを見るのではなく最初に作ったイーゼルも含めて見られるため、
先生達は作品の後ろにも回り込んで合評は進んでいきます!


それでは一気に作品を見せていきたいと思います!





















全員の作品をお見せできないのが申し訳ないのですが、良くその場と向き合った力作揃いの印象を受けました!
特に個人的には野外で制作していた学生たちの作品からは執念のようなものを感じる作品が多く見られました。


 この場と向き合う、しいては作品と向き合うと言うことは制作を続ける上では永遠についてくるものです。
今回の作品を経て今後も執念を感じる力作を期待しています!

1年生の皆さんお疲れ様でした!

2015/06/08

3年生合評

合評風景第二段は3年生の合評です!

3年生からの制作では特に共通の課題は与えられず、自分のテーマを見つけての自主制作になります。
1.2年生と制作の基礎と自分の中の幅を広げた上で行われる3年生の制作。
その最初の作品の合評はどのようになったのか、またも全員とはいきませんが紹介したいと思います!

この学生は自分と一緒に探し物をしてくれるものたちをテーマに油絵で制作しています。

 こちらは2年生のときの視るというテーマからの延長、進化を目的に制作を行っているようです。
こちらは自分の中の精神世界を細かな描写力で描き出しています。


 こちらは目を瞑った時に感じた風景を点描で描いています。
点描を選んだ理由は目を瞑った時のノイズがかかったような表現が点描にあっているからだそうです。
 こちらは壮大な荒野の中に巨大なバースデーケーキがそびえ立っている作品です。
荒野にケーキという日常から離れた世界が不思議な情感を漂わしています。
こちらは自分の中での父親と母親のイメージを画面に描き起こしています。



こちらは交換留学生の作品。
自分で撮った写真を加工し、その加工した写真を元にタブローを制作しています。
加工した写真は合評で見せた写真とは別に100枚以上あるようで、作品を作る上での姿勢や作業量に他の学生も驚いていました。

3年生の合評は学生が中心に行われ、作品に対しての熱い意見交換も多く見られました。



自由制作が始まってまだ間も無い時期ゆえにそれぞれが悩みながら制作しているのが作品から伝わりました。
ですが自分はこのスタイルだと速い段階で決めつけ過ぎず自分のテーマを見つけていって下さい!

3年生の皆さんお疲れ様でした!