先ずは、二年生です。
課題テーマは「つくることつくらないこと」
展示空間まで考えた学生たち。七号館全体が展示場所となり、移動しながらの合評会です。
では早速、課題作品をご紹介します。
針金に絡んだ思い出の品が天井から宙づりにされています。
既に形として存在しない遠い記憶や昨日の出来事を作品化しています。
奥に潜み曖昧でありながら「在る」と確信を持てる記憶は、頭の中でこうして守られているのかもしれません。
ダンボール紙で巨大カエルを制作 どの空間にも設置可能!!彼女はカエルを日々観察し、緑にはこだわりがアリです。
これはゴマをまとったボールです。
匂いをはなつ素材を選び抜き、視覚だけでなく臭覚へもうったえかける作品を制作しています。
匂う素材って、土や草などを思い起させる自然な色彩なんですね。
空気を溜め込んだコンビニの袋、ペットボトル、菓子袋などには一つずつ日付入のラベルが付けられています。
日々の生活で流れ去ってしまう些細な感情を使い捨ての入れ物に詰め込んだ作品。
行為を見せる作品は展示が難しいですね。
この紙の立体作品は珈琲フィルターで出来ています。
珈琲フィルターの魅力を最大限に生かすための努力を感じました!
続いて、三年の合評をご紹介します。
三年は学生が司会進行をおこない、質疑応答を挟みながらの学生中心の合評会となりました。
今回の作品をご紹介。
油彩画
滑らかな光沢をもった画面。下地作りから始まる彼女の制作は根気と忍耐が必要です。
だからこそ、より鮮明に作品のメッセージが観客に伝わります。
こちらも油彩画
上の作品と比較すると油彩の多様性に驚きます。
筆致で木々のボリュームを描こうとしているのでしょうか。色彩とマチエールの差が楽しめました。
人気のない工場や住宅街がボールペンだけで描かれています。
彼女の視点を覗かせてもらいました。更なる進化を期待します!
グラフィティを思い起させる作品です。グラフィティの良さを絵画で表すため試行錯誤がうかがえます。色彩や制作のプロセスが洗練されつつあります。
制作は基本独りの仕事で個人の表現ですが、学年ごとに共通の空気が流れているようです。お互いに影響されながら成長しているよう、やはり大学生活は学生自らが作り上げるもののようです。