2015/07/06

「絵画から立体へ」合評

絵画と立体の違いは何だろう。絵画を立体へと展開するとどうなるのか?絵画に厚み(物質生)がもたらせると何が変化するのか?どこまでが絵画でどこからが絵画でなくなるのか?通常、絵画は画像であり、絵画空間はカンヴァスの全面に限られる。
一方カンヴァスの全面に具象的あるいは抽象的なイリュージョン(幻影)を画像として描くのではなく、 絵画を現実世界に確然と存在する物体としてとらえる作品もある。
(中略)
多様で分かりにくいとされる現代の芸術作品だが、難しく考えることなく自分なりに作品を作ってもらいたい。現代の立体作品の代表的な傾向を知り、特に彫刻やインスタレーション作品の特質や性格、そして素材の持つ意味や空間設定の絵画との違いについて学ぶ。

 

この導入がなされ2回生は今までの描く課題とは違う立体作品を制作する課題に入りました。
上にもあるようにどこからが立体作品なのか?
今まで描いてきた平面作品もキャンバスの上に絵の具を盛り上げた立体物といえるのではないか?絵画と立体の境は紙一重で学生たちもそこの問題点を意識しながら制作に取り組んでいきました。

それでは少しですが作品を紹介していきたいと思います。



自分の身体を使い自らを立体作品として見せています。


ペットボトルとロウソクを使った作品です。

ジオラマ的な作品です。鏡を使うことで奥行が感じられます。


校内の土を使い制作した作品です。


 本物の林檎を使い着色等の加工がなされています。
普段見る林檎とは違う見え方により不思議な違和感が生まれています。


 新聞紙を使い身体の型を取り制作された作品。
階段をのぼり上から見ることで身体であることがよくわかる展示になっています。


部屋で本を読んでいる時の感覚、雰囲気を立体として表現した作品です。


自分の足を粘土で忠実に再現した作品です。
断面の表現もなされています。


 ガラスを割り、その破片を組み合わせた作品です。



 使わなくなった衣服を使い何本もの紐にしている作品です。
基本的に触れてはいけない作品が多いなか逆に触れてもらう為に制作した体験型の作品です。

 自分の手と同級生の手をモチーフに、自分の中の神話をテーマに制作された作品です。




立体と言うことでそれぞれ決まった材料に縛られず、様々なものを使い作品を作っていました。
展示の方法も様々で平面の時とは違う見せ方を試行錯誤している印象を受けました。
今後立体作品を作っていかないとしても一度経験することで今後の平面作品へ何かしらの影響があることは確実です。


二年生の次の課題は「かたちと色」という抽象作品を作る課題です!
今回の課題を踏まえて頑張って下さい!