2022/08/05

2年生合評

 8月3日から4日までは2年生の前期最後の合評でした。

今回の課題は自画像と立体作品の二つ。


ショッピングバッグを長い行列のように並べたインスタレーション。学内の様々な場所で色んな形で設置した様子を写真で見せていました。

押せばドミノのように倒れていくのも作品の面白みの一つ。

自画像の方は学生が自ら土を探して、土から絵の具を作り、それを使用して描きました。アンデシュ・ソーンやアペレスのように最低限色で絵を作るのもいい練習になりますね。

静物画のように設置した果物、ビン、カゴの前に額縁を吊るしたコンセプチュアルな作品。裏の壁には何も描かれていないキャンバス。


横や裏に回るとオランダ黄金時代の静物画に入り込んでいく感じ。


人間の皮膚をイメージした編み物作品。

作品自体だけでなく作品の歪んだ影もなかなか面白い。

作品のコンセプトの起源は学生自身の皮膚の病気の経験。酷い病気になることにより初めて身体が透明な存在から不透明な存在に変わるということを表現しているらしい。とても現象学的なテーマ。



捨てられた木材を再び木として蘇らせる作品。



物凄い数のトイレットペーパーの玉で作られたインスタレーション。巨大な虫の繭か卵なのか、色んな発想を起こす不思議な作品。

作品に触ったり上がったりすることも可能。インタラクティブアート。とても柔らかいらしい。

お尻の上から尻尾が生えている粘土彫刻。



割り箸から精密に作られた葉っぱ。

自分で作った絵の具を使うことにより気づいた絵の具の立体性をそのまま立体作品として表した。

学生は凹面だけを見せるつもりでしたが、先生たちは裏の凸面の方に非常に興味を持っていました。自分が気に入っている作品より自信がない作品の方が他人に気に入られることはよくありますね。

裏に回すと素材の扇風機が丸見え。
































2022/08/01

3年生合評・プレゼンテーション

 7月25日から27日は三年生の前期最後の合評とプレゼンテーションでした。 

今回は自由制作。普通な風景画から立体作品のインスタレーションまで、幅広い種類の素材やテーマの作品が見られました。




オリジナルなフィギュアとそのフィギュアの外箱を作り、並べて展示した作品。製品や商品と芸術の作品はどう違うかについて考えさせられる。


自分で作った紙を支持体にした作品。手作りの紙は機械に作られた紙とは違い、一つ一つの用紙が独特の形と質感を持っている。



大学の裏山で作品を展示した学生もいました。

衣装や小道具を使用して自らをモデルにした写真作品。








自由制作の自由を上手く使いこなすのは簡単では無い。自分の中や周りからテーマを探し出し、それに集中しながら、自分に相応しい表現法を見つけて自発的に制作しなければならない。
周りの豊富な情報から何を受け入れるべきか、何を無視するべきか、誰の意見を聞き入れるべきか、識別しながら取捨選択するという技術も自由になればなるほど大切。
みんなに何か没頭したいほど興味が惹かれるテーマが見つかればいいですね。


作品の合評の後はグループプレゼンテーション。セザンヌからトーマス・ルフまで、学生たちは現代芸術を代表する作家について調べた結果を発表しました。



実存主義のような哲学がどのようにジャコメッティを影響したかというトピックも出てきました。哲学も現代芸術の重要なテーマの一つ。



実際のものを見て描くことと写真を利用して描くことはどう違うのか。写真と現実はなんで違うのか。現代芸術理論で最もよく見る課題の一つについて色んな画像や3Dグラスまで用意して面白くプレゼンテーションしていました。
それぞれの技法の特徴について考え、その特徴を最大限に活かすことは現代芸術の重要な一面ですね。

































2022/06/24

横内賢太郎 講演会

 6月21日には横内賢太郎さんの講演会が行われました。横内さんは日本での個展を中心に、インドネシア・ジョクジャカルタとオランダで滞在しながら活動してきた作家です。

最初は欧州の美術史と日本の絵画の関係について話しました。ヨーロッパの絵画と日本の絵画がお互いどのように影響し合ったかなど、ヨーロッパと日本の美的感覚の相違点や、オランダと日本の歴史的な関わりとこの文化の交差がどのような絵を生み出したかなど。




そこから、話は横内さんのインドネシアでの経験に移りました。横内さんが作品の素材として使うサテン布やインディゴブルーもインドネシアの歴史や社会と深い関係があるらしく、彼は自分がいる場所の環境や文化について考えながら、リサーチして、それを制作に持ち込んでいるみたいです。さらに、周りの芸術に興味を持つ人のためにインドネシアでは自宅をアートスペースにして、インドネシアでは上映されることが少ない映画の上映会を開催したり、自ら芸術文化を広めています。




4年生や院生になれば先生から課題をもらうのではなく、主に自由制作になり、その制作の起源となるリサーチ・研究・自らの経験は重要になるので、それに関して学生にとても為になるレクチャーだと思いました。










2022/06/13

2年生合評

6月8日は2年生の合表でした。

学生は木炭風景デッサン・油彩風景・裸婦油彩(グリザイユ)の3つの課題作品を並べて先生から批評を受けていました。





風景画は学生が自ら学内で好きな場所を探し出し、それを描いています。建物を主に描く学生もいれば、人工物が一切見えない自然風景を選ぶ学生もいたり、同じ学内でも様々な場所が描かれていました。今年新しく完成した明窓館の風景も見えました。

人体の方は今回はグリザイユで描かれていました。黒、白、灰色だけで明暗の重要性を理解したり、形の捉え方に集中していたようです。





洋画特別講演会 横内賢太郎 :「人の営みについて」



洋画特別講演会 


画家 横内賢太郎:人の営みについて

日時: 6月21日(火)13時15分開始

場所: 黎明館L101


横内氏はKenji Taki Gallery、京都市立芸大ギャラリー@KCUA、愛知県美術館などでの個展を中心に、インドネシア、オランダに滞在して作家活動してきました。京都精華大学では2度目の講演会です。「文化的接ぎ木」をキーワードに、さまざまな文化的・歴史的背景を持つイメージを自身の作品の中でつなぎ合わせることによって、それらが混交し、変化していくさまを表現してきました。その関心は学生時代から一貫して「変化」にあります。出会いがもたらす変化を追っていくうちに、その活動は作品制作だけにとどまらず、2014年から5年間活動拠点としてきたインドネシアのジョグジャカルタでの自宅をアートスペース「Artist Support Project」として、展覧会やイベント、アーティスト・イン・レジデンスなどの運営も行うようになりました。「いつもワクワクしていないといけない」という横内さんが「変化」を求める中で出会ってきたさまざまな人々、物事、またそれらの出会いが作品制作にもたらしたものなどについて、お話を伺います。(@KCUAホームページより)



横内 賢太郎 略歴

Kentaro YOKOUCHI

1979 千葉県生まれ

2002 武蔵野美術大学 造形学部油絵科卒業

2004 京都市立芸術大学大学院 美術研究科修了

2007 京都市立芸術大学大学院 博士(後期)課程油画領域修了

2008 VOCA賞 受賞

2014 平成26年度ポーラ美術振興財団在外研修員としてインドネシアに滞在

2014年 まで三重県いなべ市を拠点に制作

2014年 よりインドネシア、ジョクジャカルタに留学 インドネシア芸術大学(ISI)聴講生

2014-2020 インドネシア、ジョクジャカルタを拠点に活動

2020-2021 文化庁芸術家在外派遣研修員としてオランダに滞在